つきひざはやる気ないからね

「いや、やる気はあると思いますが・・・」

NW24考察・速水健朗さん

 「NEWSWEB24」、最初の1週間はほぼギスギスしながら番組を見ましたが、速水さんの時は違っていました。1番フラットな見方ができると思ったし、視聴者と橋本アナ、評論家などのゲストの方を繋ぐ役割がとにかく上手い。津田さんが出塁する先頭打者としたら速水さんはバント職人?「ああ、この人の言ってることに、嘘はないんだな」と安心した記憶があります(別に他の4人が嘘を言ってるとかいう訳ではありませんが・・・)。

 

 さて、そうなると今度は著作を見ないといけない。著作に目を通して、果たして私の感じた直感が正しいのか、確認したい。昔無責任に物を言ってた時に「お前は作家とか好き勝手語ってるようだけど、その人の書いたものを1冊でも見てから言ってるの?」と恩師に注意されてからは作品を少なくとも1冊は読むようにしてはいます。「都市と消費とディズニーの夢」はNW24放送中の2012年8月に出されたのでちょっと外して、過去速水さんは単著だけでこれほどの本を出されていました。タイトルだけ見た時の私の感想。

 

「自分探しが止まらない」ーなんか中二病っぽい。自分の黒歴史を見てるようでイヤ

「ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち」ー何か自分とは逆方向の人(私は中学高校時代はスクールカースト最下層の地味子でした)の話なのかなあ・・・パス

「ラーメンと愛国」ーダイエット中。ヘンに感化されてラーメンを食べ過ぎるようになったらイヤ

 

 そして新書デビュー作の「タイアップの歌謡史」。これならJ-POPを内包した歌謡曲の話だから、1番とっつきやすいんじゃないか、と思ったんです。邦楽好きだし。ただし、これを手に入れるのはちょっとコツがありまして(他はAmazonで買えます、聞かれればお答えします)、大学時代に会得した買い方でちょちょいっと。

 

 で、ほぼ全作揃え、結局読破したのは「自分探しが止まらない」だったりするんですが、速水さんの本を読んでみて、驚きました。いや、驚いたというのは、生易しい表現なのかもしれません。色々表現方法は思いつきましたが、「魂を喰われそうになる」という経験は初めてしました。しかも、過去の文豪や偉人の作品などではなく、今を生きている人間に・・・。それほど衝撃的な体験だったんです。あえて言うなら、あの・・・あーこれ以上言うとネタバレになっちゃうわー。とにかく共著も単著も、読んでるだけで電流が走るというか・・・。でも、全身ビリビリしながら、「ああ、本当は、私でも、出来ることがあるんだ・・・」という生きる希望がわいてきたのははっきりと覚えています。なお、速水さんの研究対象は本当に、ほんっっっっとうに多岐にわたります。お覚悟を。

 

 まあ、別に雷に打たれても今んとこ批評する方には回らないですけどねー。「団地団」とかほんと面白いっすよー。団地妻のとこしか読んでないけどーすごくふかいんだー。そりゃともかく。興味のある所から読んでみると本当にどの1冊も楽しく読めます。そしてこれからも、よりよい読者であり続ける努力をもします。速水さん、ありがとう。